シネパラ蒲田/蒲田映画祭

 今も「蒲田行進曲」がJRの駅のホームに鳴り響く蒲田。蒲田はかつて「映画の街」でした。

1920年、松竹キネマ蒲田撮影所が開設され、多くの名作が蒲田から誕生しました。

かつて、街には30近くの映画館があり、映画関係者が多く集い「流行は蒲田から」と言われたほどです。5年前、その蒲田で「蒲田映画祭」を始めた4人の男たちがいます。

IKETAMAでは、蒲田映画祭連動企画として、その4人の方々に、映画祭を始めたきっかけ、映画祭にかける想い、映画にまつわる思い出など、それぞれ自由に語っていただきました。

今年「蒲田映画祭」は6回目。スペシャルゲストとして大林宜彦監督、女優・有馬稲子さんをトークショーに迎え、華々しく開幕します。

リレー連載 第1回目は、蒲田映画祭実行委員長の栗原洋三さんにお話をうかがいました。

 

映画を観て、語らう楽しさを伝えたい「蒲田映画祭」実行委員長  栗原洋三さん

蒲田映画祭実行委員長 栗原洋三さんが座っている
蒲田映画祭実行委員長 栗原洋三さん

栗原さんは大田観光協会の常任理事をされています。「観光」「地域」に関わる活動のきっかけを教えてください。

 

「大学卒業後、自動車会社に勤めていましたが、49歳の時、関連の本社ビル管理会社に出向になりました。今までのキャリアとは無関係の商業ビルの活性化を命じられたんです。とにかく予算がない中、イベントを行っていかなくてはなりませんでした。当時発足して間もない『しながわ観光協会』に入会したことがよい選択でした」

栗原さんが出向を命じられた「大森ベルポート」は地域のランドマーク的存在。1階には30メートルの高さの吹き抜けの空間が広がる贅沢な造りのビル。しかしバブルがはじけ、イベントの数が次第に少なくなっていった。

 

どのような形で「にぎやかし」を実現していきましたか。

 

「低予算でできるフリーマーケットやビッグバンドのコンサート、落語会、ダンス競技会など色々と仕掛けました。イベントを行うには地域の皆さんに協力を仰がなければ成り立たないのです。町会、消防署、警察、色々な方と付き合い、また『しながわ観光協会』の活動に加わることにより、地域活動の面白さを知ったんです。その時得た人との繋がりが、その後大いに役に立ちました」

そして定年後、大田観光協会に再就職されたのですね。

 

「はい、声が掛かって。少し休みたかったのですが、退職後数か月で、すぐにその職につきました。その時サポート役が欲しくて、旧友の岡茂光さんに声を掛けました。彼は映画祭に限らず、大田区の『観光まちづくり』に多大な貢献をしています。大田の観光にどっぷりつかってしまったのが、彼の『運のつき』という感じです(笑)」

『観光まちづくり』という言葉が出てきましたが、どういった意味を持ちますか。

 

「私の地域活動を称するのに、最もしっくりする言葉がこれです。我々の街は住みよく、楽しい街なのだと実感できる何かがあれば、訪れた人にも伝わります。住んでよし、訪れてよしの街にする。それが『観光まちづくり』です」

栗原さんは大田観光協会に勤めてすでに15年になる。「おおたオープンファクトリー」を仕掛けるなど着々と「観光まちづくり」を実践していった。一方旧友の岡さんは無類の映画好き。中学高校の野球部の同級生であり、大学も偶然にも一緒。さらに会社は違えども「自動車会社」に就職するという、同じような経歴を持っている。岡さんという心強い同志を得て、栗原さんの活動は広がっていく。そして二人の悲願である「蒲田映画祭」の開催にこぎつけたのだ。2013年のことだ。

 「蒲田映画祭」の開催を思いついたのは栗原さんですか。

 

「『なんで蒲田に映画祭がないのだろう』岡さんのその一言がきっかけです。蒲田は松竹キネマ蒲田撮影所があった場所。近代映画発祥の地と言われています。日本映画全盛期の昭和30年には30軒以上の映画館があったんですよ。1986年にはアプリコ(※1)の前に『松竹橋』を復元したり、蒲田撮影所が舞台となった映画『キネマの天地』の上映をしたり単発のイベントはいくつかありました。でも継続したイベントはなかったのです。継続できる映画祭を開きたい、それを願って動いたというわけです」

 そして蒲田映画祭実行委員会を発足し、委員長になられたのですね。他にはどのようなメンバーがいらっしゃいますか。

 

「一応、私が実行委員長になっていますが、企画運営は岡さんが中心です。プロデューサーですね。また蒲田図書館館長の三橋昭さんは、昔大島渚の助監督を務めたことがある人です。さらに出版社社長の前田義寛さんも加わりました。彼は名優小沢昭一さんの母校大田区立相生小学校出身で、蒲田に愛着を持っています。その4人で引っ張っていっています」

 昨年までにすでに5回、蒲田映画祭が開かれています。 上映作品ももちろんですが、岩下志麻さん、香川京子さん、岡田茉莉子さん、加藤武さん、杉葉子さん……とゲストが豪華ですね。他にもこれが蒲田映画祭の目玉というものはありますか。

 

「『松田コレクション』ってご存知ですか。松田集(つどい)さん(※2)という方がいらして、映画関係のポスターなどを大量に収集されているんです。その方からお借りした貴重なコレクションを展示しています。蒲田映画祭は、上映、ゲストのトークショーに加えて、展示も目玉なのです。これは松田さんのおかげです。ぜひ展示もゆっくり見てほしいです」

 今後、蒲田映画祭をどのようにしていきたいですか。

 

「映画を映画館で観る、そして語らうといった楽しさを若い人たちに知っていただきたい。伝えることは我々のミッションだと思っています。それって文化の継承だと思うのです。それには蒲田映画祭を継続していかなくてはなりません。今後は自分たちより若いスタッフに運営に加わってもらい、新しい発想を開拓していきたいです」

次回は、栗原さんの盟友であり、蒲田映画祭プロデューサー 岡茂光さんに蒲田の映画の歴史や第1回蒲田映画祭開幕の思い出などを語っていただきます。

 

蒲田映画祭実行委員 左から 前田さん 三橋さん 岡さん 栗原さんが円卓を囲み会議をしている
蒲田映画祭実行委員 左から 前田さん 三橋さん 岡さん 栗原さん

※1 大田区民ホール・アプリコ

※2 松田集(つどい) 学校教員の傍ら、近代映画・演劇を中心にした資料を収集。美術館やメディアへ貸し出しも行っている。

第6回蒲田映画祭のゲスト、上映昨品が発表されています。詳しくは以下のFacebookページをご覧ください。

 シネパラ蒲田/蒲田映画祭

https://www.facebook.com/CineparaKAMATA/


 

ずっと会いたかった

 

沿線のひと、5000字インタビュー

 

 

ぶら〇〇シリーズ

 

池上線・多摩川線の風景、ひと、記憶を写真でつなぐ

 

 

粋場めぐり

 

IKETAMAの粋な酒場をめぐります

 

 

 

IKETAMAあらからると

 

IKETAMA沿線のいろいろな表情を

レポートします



 【ひとにやさしい求人情報】

 

池上線・多摩川線沿線の介護・保育・医療に特化した求人情報

Wワークで働きたい ・子育てしながら資格や経験を活かしたい ・資格はないけれど「ひとに関わる仕事」につきたい

 そんな仕事を身近なIKETAMA沿線で探しませんか?


 【IKETAMAイベント情報】

 

池上線・多摩川線沿線の

楽しい、ためになる、仲間ができる、元気になる

イベントを紹介します